首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「NANA2」

運動の為に、ジョギングする気力もないので、その代わり、毎日のように渋谷の街を散歩している。
 で、都合のいい時間に始まる映画を見つけて劇場にはいるのだが、昨日は「NANA2」だった。
 入場者数は、ぱらぱらで少なく、それも若い女の子がほとんどである。
 おじさんにとっては、年齢的に肩身の狭い映画だが、前作を見ている以上、その続編を見ない訳にも行かないだろうと思って入場した。
 前作は結構面白かった記憶があるのだが、今回は、信じられないほどつまらない。
 理由は、登場人物のキャスティングが変わったこともあるのだろうが、何しろ、ストーリーが、古くさく感じられてしょうがないのである。
 芸能人の男女間の乱脈ぶりは、僕が子供の頃から聞いていたし、僕だって二十代前後は、乱れていなかったとはお世辞にもいえないから、この映画の男女の間になにがおころうと文句は言わないが、この映画の片方の主人公の女の子の性知識のなさにはあきれる。
 いくら好きだからといって、簡単にくっつくとどうなるかぐらい知っておいて欲しい。
 妊娠だけではなくて、今は大袈裟に騒がれなくなったが、病気の問題だってある。
 昔のミュージカルだが、最近映画化された「レント」なんて、まさにエイズ世代の作品である。
 この主人公、子供が出来る年齢になっているんだから、少しは自覚して欲しい。
 親の教育が悪いのか、学校の性教育が悪いのか……そこらが、無頓着である。
 この映画の後半、女の子の妊娠がクローズアップされるが、今の時代、妊娠は男だけの責任でもあるまいし、いくら恋愛に目がくらんでも、女の子も充分、注意して欲しい。
 男の責任で結婚したからといって、片が付く問題じゃないだろう。
 そこいらのストーリー展開が、この映画を古く感じさせられるのかも知れない。
 これが、現代の二十前後の女の子の普通の姿だとしたら、危なっかしくて近寄れないと思うのは僕だけだろうか?
 もっとも、僕の歳になったら向こうから近づいてくれないだろうからいいけれど……
 そんなこの映画のテーマとは違うだろう、つまらないことしか感想に残らない映画だった。
 おそらく深夜にロケしたのだろう……ビルのネオンはついているが窓は真っ暗、午後七時の設定にしては、コンサートに騒ぐエキストラ以外の通行人の動きがおかしい……新宿東口のアルタ前のコンサートシーンは、ヘリコプターの空撮などしながらもそれほど効果があるとも思えず、ご苦労様としかいいようがない。
 前作「NANA」の出来からすると、今回は、脚本と演出が何か勘違いしたとしか思えない映画だった。
 結構、期待している大谷健太郎監督の映画だけに残念だ。