首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

煙草をただでくれる店

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今日が七月一日である事を忘れていた。
 煙草が今日から値上げされるのだ。
 買い置きするのを、まるで忘れていた。
 昼食を食べるつもりで、渋谷の街にでて、ついでに、映画「デス・ノート」を見ようとしたら、全席指定の劇場が、満席で、入れなかった。
 毎月の一日が、千円で映画が見る事が出来るのは知っていたが、満席札止めとは珍しい事である。
「デス・ノート」の原作コミックの事はまるで知らないのだが、それほど、面白いのだろうか?
 ただ、この映画を監督した金子修介氏は、平成ガメラ三部作のように、女の子を可愛く撮ることに、やたら執念を燃やしているような人で、今回も、そこが、僕の興味の中心だったったが、次の回まで待つほどの事も無いと思い、出直す事にした。
 で、悪名高い渋谷センター街を通って帰ってきたのだが、人通りは多いが、数年前と違って、怪しげな中学生も高校生も外人さんもあまり見当たらず、ずいぶん清潔な通りに変ってきたように見えた。
 それもそのはずで、いつもは音楽を流している街頭スピーカーが、しつこいくらい「私たちの街をきれいにしましょう」的な事を、喋りまくっている。「歩き煙草はやめましょう。吸い殻のぽい捨てはいけません」……等々。
 これだけうるさいと、他の悪さを考えている人も、近づきにくくなる。
 商店街の懸命な浄化作戦である。
 煙草は止めろと言われると、よけい吸いたい気分になるところがある。
 そこで、前にも紹介したが、センター街のそばにある無料の喫煙店に立ち寄った。
 一服していると、店員というか、ウエイトレスというか、若い女性が声をかけてきた。
 最近……と言ってもだいぶ前だが、売り出された、嫌な匂いのしない煙草と、従来の煙草との匂いの差を、感想として聞きたいというのだ。
 つまり、煙草のモニターになってくれというのだ。
 「いいよ」と了解すると、二つのプラスティック箱を持ってきた。
 中には、それぞれ違う煙草のすいがらが入っている。
 従来の煙草の匂いに比べ、新しい方は、何となく、甘い香りがする。
 そう店員に言うと「ありがとうございます。嫌な匂いのしない煙草をどうぞ」といって、一箱、煙草をくれた。
 そして、また別の客のところにいって、同じ事をしている。
 つまり、この店は、嫌な匂いのしない煙草を、PRする店でもあったのだ。
 煙草値上げで、減るに違いない喫煙者を、なんとか食い止めようとする店だったのだ。
 しかし、ただで、煙草を一箱くれる店など、はじめてである。
 毎日通えば、毎日煙草をくれるのだろうか?……煙草代が浮くなあ……等と、思わず、せこい事を考えてしまった。
 しかし、店員さん、この店は、煙草をただで吸える店である。
 当然、入って来るのは、煙草を吸う人だけだ。
 店内は、煙がもうもう……自分は吸わなくても一日中いると、体に悪いと思うのだが、そこいらを考慮したギャラは、貰っているんでしょうね?。
 思わず、店員さん達の健康を、心配してしまう、ヘビー・スモーカーの僕だった。
 写真は、最近のセンター街である。
 悪名の高かったころより、確かに雰囲気は変っている。