首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

残暑お見舞い申し上げます。

仕事場のすぐ近くにある実家に、資料を取りに行こうとして、マンションの外に出たら、とたんにドカンと襲ってきた暑さに、目がくらみそうになった。
 今が夏の盛りであることを実感した。
 それでも、よろよろと実家にたどり着き、クーラーの効いた部屋で、資料を整理したら、やりかけた仕事が、ぞろぞろと出てきた。
 数日前、いきつけの病院にいったら、医者から、少し、仕事をセーブするか、やめるかしないと、体がもちませんよと、忠告されたのを、思い出した。
 確かに、仕事を始めると、食欲が無くなるし、一仕事終えると、何キロか体重が減る。
 だが、別に体や精神的に悪いような、嫌いな仕事はしていない。
 昔もそうだし、今もそうだが、やりたくない仕事は、断るか、途中で降りる事にしていた。
 だから、今、やりかけの仕事は、全部、自分のやりたい仕事のはずである。
 しかし、この程度の暑さで、ふらふらになるようだと、色々なやりたい仕事を終える前に、倒れてしまうかも知れない。
 僕の仕事は、医者の言うように、確かに体力勝負にようなところがある。
 他の誰かにゆずってしまおうかと思った事もある。
 だが、よく考えると、今、残っている僕のやりたい仕事は、僕にしか書けないもののような気がする。
 だから、やるっきゃない。
 夕方過ぎまで、だらだらと実家で資料を調べながら、夜、涼しくなってから仕事場に戻ってきた。
 誕生日に貰ったケーキは、実家に持って行って食べた。
 体は確かに、衰えてきたし、昔のように無茶は出来ない事は分かっている。
 自分の前の皿に、おかれたケーキの減り具合でそれがわかる。
 とても一皿、食べきれない。
 でも、まあ、体力の続く限りは、やりたい仕事はやるつもりである。
 それで、消化しきれない仕事がでてきたら、それはそれで、ええだば、ええだば、仕方ないとあきらめるしかないだろう。
 三十代四十代の時に、もうちょっと頑張っておけばよかったと思うが、それは、もう過ぎてしまった過去である。
 今の僕が、出来る限界まで、つまり歳老いて、ぼけるまではやれるだけの事は、やって見ようと思う。
 それまで、後何回、夏をむかえる事ができるか……
 取りあえず、皆さんには、「残暑、お見舞い申し上げます」と、言っておこうと思います。