首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

引きこもり一日目

本当に引きこもりで、悩んでいる方には、申し訳ないし失礼な話だが、やっと、今日、一日、一歩も仕事場から出ず引きこもることに成功した。
 だが、仕事をしていたかというとそうでもない。
 狭い仕事場の中を、動物園の獣のようにうろうろしていただけだ。
 うろうろしているうちに、仕事をする気がしなくなり、手元にあった本を読み出したら、面白くて止まらなくなり、最後まで読んでしまった。
 その本は「99・9%は仮説」竹内薫著(光文社新書
 とにかく、プロローグが、飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない……というのである。
 とりあえず、飛行機は飛んでいるから、飛ぶんだろうという事で、その仕組みは完全には解明されていないという。空を飛ぶいろいろな理屈は、最先端の航空力学でも、説明しきれていないのだそうで、
「飛行機は飛ぶ」と言う事は、仮説にすぎないというのである。
 僕からすれば、「目からうろこ」ではなく、「ほら見ろ。飛行機は飛ぶのがおかしいんだ」と、わが意を得たりの気分である。
 実は、五才の頃、北海道まで乗って行った飛行機(当時はプロペラ機だった)が、乱気流に巻き込まれ、急降下、急上昇で、もみくちゃ……、結局、目的地の千歳飛行場に降りられず、札幌近郊のオカダマ飛行場と言うところに避難着陸したことがある。
 その時の恐怖以来、飛行機は僕の旅行手段から消えてしまった。
 だから余程の事がない限り、飛行機には乗らない。乗る時は死ぬ気である。
 観光目的では絶対、飛行機は利用しない。
 僕が飛行機に乗るのは、進退極まった場合のみである。
 それでも、いままで10回近くは、なにやかにやと飛行機に乗って外国に行ってしまった。
 つまり、10回近くは、死ぬ気になったということである。
 この本を読んだ以上、十一回目の来ない事を祈る。
 何かの必要性で国内の遠い場所に行く時は、絶対、列車か車か、船で行くから、そこのところ、よろしくお願いします。
 ちなみに、昔、ヨーロッパでロンドン・パリ間は飛行機に乗らず、ドーバー海峡を連絡船で渡りドイツからイタリアに行った時も、アルプス越えの列車に乗った僕です。
 ともかく、飛行機は飛ぶのがおかしいのである……と……思う……。