人車鉄道
土曜日の小田原文学散歩の最後は、豆相(ずそう)人車鉄道の小田原駅の跡だった。
芥川龍之介の短編「トロッコ」のモデルにもなった鉄道だ。
なんと、小田原と熱海の間を、人の力で押して動かした鉄道だという。
その実物大再現模型があり、実際に人を乗せて、動かしてくれる。
実際は明治二十八年から四十一年まで、人力で、動かしていたという。
世界でも珍しい存在だそうだ。小田原から湯河原、熱海に行く観光客用だったというから、優雅なものである。
小田原は凄い。新幹線があり、ロマンスカーがあり、お城の遊園地にはお猿の電車があり、人力鉄道まで動かして見せてくれるのである。
へんな小田原の真骨頂である。
× ×
新作の「ピンクパンサー」を見た。ピンクパンサーとは、ピンク色したダイアモンドの名前である。
その盗難をめぐって、クルーゾー警部という少しおかしな刑事が活躍するコメディだが、今までは、
ピーター・セラーズという珍名優が演じていた。
その方が亡くなったので、スティーブ・マーチンが演じていた。
正直言って、全く、笑えなかった。
ハリウッド映画の常で、フランス人のクルーゾー刑事も英語を話している。
おそらく、フランス風の英語なのだろうが、そのクルーゾー刑事が、英語の発音を習うシーンがある。
フランス風英語の人が、アメリカ風英語の練習をするのである。
英語の良く分かるアメリカ人には、抱腹絶倒のシーンなのだろうが、こちとら英語は駄目だから、全然、面白さが伝わらない。
昔、イギリスに行って、なまりのある本場の英語がまるで通じなくて、ドイツに行ったら、やっとその英語が、通じたという変な体験を持っている僕など、腹が立ってくるギャグだった。
おまけに、フランス人のクルーゾー刑事が、ハンバーガーを美味そうに食べたり、ともかく、ギャグが、アメリカ人向きなのである。
ピーター・セラーズのクルーゾー警部は、もっと屈託なく笑えた気がする。
たとえ国が違うとはいえ、笑ってやろうと待ちかまえている客がいるのに、笑えない喜劇は、悲劇だ。
芥川龍之介の短編「トロッコ」のモデルにもなった鉄道だ。
なんと、小田原と熱海の間を、人の力で押して動かした鉄道だという。
その実物大再現模型があり、実際に人を乗せて、動かしてくれる。
実際は明治二十八年から四十一年まで、人力で、動かしていたという。
世界でも珍しい存在だそうだ。小田原から湯河原、熱海に行く観光客用だったというから、優雅なものである。
小田原は凄い。新幹線があり、ロマンスカーがあり、お城の遊園地にはお猿の電車があり、人力鉄道まで動かして見せてくれるのである。
へんな小田原の真骨頂である。
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新作の「ピンクパンサー」を見た。ピンクパンサーとは、ピンク色したダイアモンドの名前である。
その盗難をめぐって、クルーゾー警部という少しおかしな刑事が活躍するコメディだが、今までは、
ピーター・セラーズという珍名優が演じていた。
その方が亡くなったので、スティーブ・マーチンが演じていた。
正直言って、全く、笑えなかった。
ハリウッド映画の常で、フランス人のクルーゾー刑事も英語を話している。
おそらく、フランス風の英語なのだろうが、そのクルーゾー刑事が、英語の発音を習うシーンがある。
フランス風英語の人が、アメリカ風英語の練習をするのである。
英語の良く分かるアメリカ人には、抱腹絶倒のシーンなのだろうが、こちとら英語は駄目だから、全然、面白さが伝わらない。
昔、イギリスに行って、なまりのある本場の英語がまるで通じなくて、ドイツに行ったら、やっとその英語が、通じたという変な体験を持っている僕など、腹が立ってくるギャグだった。
おまけに、フランス人のクルーゾー刑事が、ハンバーガーを美味そうに食べたり、ともかく、ギャグが、アメリカ人向きなのである。
ピーター・セラーズのクルーゾー警部は、もっと屈託なく笑えた気がする。
たとえ国が違うとはいえ、笑ってやろうと待ちかまえている客がいるのに、笑えない喜劇は、悲劇だ。