首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

小田原がんばれ!センスを持って

小田原に行った文学散歩の事である。
 小田原の文学館近辺の散歩である
 案内してくださる方たちの、記憶力凄さに圧倒された。
 僕など、十八年も小田原に住んでいて知らない事ばかりだ。
 知っていてもしょうがない知識もあったが、その方たちの郷土愛はすごい。
 つい、その方たちの語りに聞きいって疲れてしまった。
 ついでに、小田原町かど博物館の数軒も見学させてもらった。
 色々な古風なお店を、小博物館風に、説明してくれるのだが、説明して下される店主の方々が、気さくで、気持ちがいい。
 色々名店を、見せていただいたが、その中でも、知っていただきたいのは「ういらう」である。
 「ういろう」という発音をするが、一般には名古屋名物とされている。
 しかし、元祖は、小田原である。もともと、外郎(ういろう」という薬(仁丹ににている)があり、そのお茶請けのお菓子のつもりで作られたものらしいのが。羊羹に似た今のお菓子であるらしい。
 起源は戦国時代からあるらしい。
 知っている方も多いと思うが、演劇関係の人は、当然知っていたり、練習したりしている外郎売の口上は、ここから、始まっているのである。
 歌舞伎の十八番と呼ばれ、歌舞伎の世界で、おめでたい事が起こった時に、上演され、その上演の時は、かならず。小田原のこのお店にご挨拶に来るそうである。
 ういろうの元祖は小田原である。名古屋ではない。
 しかも、ういろうとは、お菓子もあるが、本来は薬であった。
 小田原にいる頃は、東京の知人に、ずいぶん吹聴したものだ。
 お歳暮代わりに送った事もある……これが元祖のういろうだと……薬のほうは、東京からの知人からの注文が多く……ともかく薬の方は一人一箱しか売ってくれなかったのだ、
 だから、その人たちの身代わりでずいぶん買いに行った薬である。
 「ういろう」の元祖は、小田原であると、全国的にもっと騒げばいいのだが、なんだかひっそり商売しているように見える。
 名古屋がういろうなら、それでもいいよと言う鷹揚さがある。
 この気質が、小田原に住む人たちの、のんびりとして、そこが、相手をいらいらさせる所でもある。
 小田原は、のんびりしている。そのうえ城下町であった事の、へんな気取りがある。
 その組み合わせが、変なのである。
 コメントにあったが、昔のゴジラが、壊したくなるような町……言い得て妙である。
 じれったい町なのである。
 カップルでおとずれるのには、東京に近いし、デイズニーランドと違う面白さがある。
 残念なのは、ビジネスホテルばかりで、まともな宿泊施設がない事である。
 だから、みんな箱根や湯河原、熱海に泊まってしまう。
 小田原市よ自覚せよ。あんたは、充分変な町である。
 観光客を。引き止めるセンスを持て!。変った素材は、いくらでももっているのだから……