首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

ボクシング映画

小雨混じりのぐずついた天気もあって、今日は、一日中、仕事場で、調べものをしていた。
 少し疲れたので、DVDで「シンデレラマン」という去年、評判になった映画を見た。
 ボクシングを題材にした映画だが「ロッキー」ほど、おめでたくなく、かなり感動的な映画だった。
 ただ、僕は、個人的に、格闘技を素材にした映画は、好きではないのである。
 アクション物では、いくら激しい殴り合いがあってもかまわない。
 ただ、しきられたリングの上で、見せ物として闘う、プロレスやボクシングや相撲が、好きになれないのである。
 いくら、それが演技だと分かっていても、演技が迫真の演技になればなるほど、痛々しくて見ていられない。
 昔、血の気のあった時に、チンピラ三人対僕一人で殴り合いの喧嘩をした事がある。
 ぼこぼこに、殴られ、こてんぱんにやっつけられ、しばらく気を失っていた事がある。
 それ以後、僕は、口げんかは山ほどしたが、殴り合いの喧嘩は、避けるようになった。
 格闘技の映画を見ていると、その時の痛みがよみがえってきて、いたたまれなくなるのだ。
 だから、去年の最高傑作だと評判の「ミリオンダラーベビー」も、ついていけなかった。
 女性ボクシングを題材にし、さらに安楽死をテーマにした、救いようのない悲劇だが、僕の感想は……言わんこぅっちゃない。ボクシングなんかするからさ……といういささか冷めたものだった。
 僕の映画に対する評価は、まず好き嫌いが優先する。
 どんな傑作でも、題材が嫌いなものは好きになれない。
 「シンデレラマン」と言う名前にだまされた訳ではないが、疲れていた気分が、もっと落ち込んでしまった。
 嫌いな種類のボクシング映画と分かっていても、見てしまうのは、映画は何でも見てやろうという僕の職業意識、職業病なのかも知れない。
 時々、因果な職業だなと思う時もある。