首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

カード世界

リモコンの次に、ぶちきれそうなのは、カードの類である。
 いわゆる提携カードというやつで、何でもかんでも、カードにクレジットカードがついてくる。
 VISA提携のカードだけで五枚もある。
 そのほかJCBやらUCやらの提携カードを入れると十数枚もある。
 一年前までは、アメックスカードもあったが、殆ど使わないので、止めたいと電話すると、「止めないでください。ステイタスシンボルですから……」と電話で三十分以上、ああだこうだと粘られた。
 物書き商売は、作品がステイタスで、いわゆる社会的ステイタスなどないに等しいし、欲しいとも思わない。
 僕が知っている例で、上限の無いアメックスの家族カードで、一千万円も、買い物をした大学生がいた。
 借金を払うのは、親である。

 カードは作る時は簡単だが、解約する時は、面倒くさい。
 カードを詰め込んだ財布を、落としたりすると、取引を停止するのに、あちこち電話して、警察に届けを出したり、ひどく手間がかかる。
 頭に来るから、健康保険カードや車の免許などの必要最低限のカード以外は持ち歩かず、銀行の金庫に入れている。
 ところが最近は銀行のキャッシュカードにまで、クレジット機能がつきだした。
 クレジット機能は、いらないんですけど、というと、銀行の窓口に行って、直接、クレジット機能はいらない手続きをしてくれという。
 クレジット機能のない普通のキャッシュカードを作る方が手間がかかるのだ。
 便利なようで、サインをしたり、なんだかんだと面倒くさいカード。
 おまけに、偽造カード犯罪もひっきりなしに起こる。
 カードの無い現金払いの世界のほうが、よっぽど便利だと思うのは、僕だけなのだろうか……?
 財布の中のお札より、カードの枚数の方が多いというのは、なんだか貧乏臭くて、切ない。
 手元にあるカードの山を写真に撮ろうとも思ったが、番号を読み取られると困るので止めた。