首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「スーパーマンリターンズ」

 打ち合わせの後、ちょうど上映開始時間が間に合ったので、「スーパーマン リターンズ」を見た。
 ものが、スーパーマンである。なにが起こってもOKである。
 これを見て、馬鹿馬鹿しいと思う人は、最初から、この映画を見るのに向いていない。
 そんなつもりで、僕も見ているから、とんでもない場面が出てきても、にこにこ笑って見ていられる。
 ところが、今回の「スーパーマン」は、とんでもないストーリーが、予想以上にとんでもなかった。
 悪い意味でなく、感涙もののとんでもなさなのである。
 ネタばれが、僕の耳に入って来ないうちに、見てよかったと思う。
 ともかく、男にとっては泣けるストーリーである。
 僕もネタばれはしたくないから、極力言わない事にするが、ともかく、登場する男たちは、スーパーマンも、悪役も、そして、ヒロインの新聞記者ロイス・レインの夫になる人も、純情である。
 それのくらべ、女たちのしたたかな事……この映画で、一番、泣けるのは、ロイス・レインの夫である。
 いい人なのである。
 妻の為、子供の為、一生懸命がんばる。
 普通のアクションものなら、主役だろう。
 所が、この映画は、その上に、スーパーマンというヒーローがいた。
 この人、スーパーマンの仮の姿であるクラーク・ケントにも、嫌みな所はまったくない。
 おまけに、ロイスレインと、スーパーマンが、昔、知りあいだった事を知っていて、それなりの、こころづかいすら見せるのである。
 そんな彼が、このストーリーの全貌、ロイスレインの秘密を知ったら、どう思うだろう。
 僕なら、やけになって酒飲んだくれて病院に行くか、薬物中毒で警察行きになるかも知れない。
 みんなで、「ロイスレインの夫をはげます会」を作ろうと思いたいぐらいかわいそうである。
 この映画、上映時間がちょっと長いが、色々、面白いつっこみどころもあるし、楽しめる事は確かである。
 脚本家は、苦労したんだろうなあ……でも、このストーリーは、後先考えない、とんでもストーリーである事は確かだ。
 「ダ・ビンチコード」と似たような所がある。
 僕は、それでも、面白かった。