「COSMOS ピンクショック」二部……その5
「COSMOS ピンクショック」二部 ……その5
首藤剛志
○王宮の宴会
裸女達が踊っている。
フィレが豪快に酒を飲んでいる。
フィレ「ファハハハ…おんしら強い!気に入ったばい…」
ミッチやジェーン達、気押され気味に横に坐っている。
フィレ「一生、ここで楽しく暮らしましょうね…(急にしおらしく)」
ジェーン「一生 ここでぇ~?」
ラン「男のいない星でぇ~!」
ミッチと二人は顔を見合わせ…ウ
三人「反対!」
フィレ「反対といっても、ここは暗黒空間の底…簡単には抜け出せません。」
ミッチ「簡単でも単々でも、抜け出すんだもん。」
三人「賛成!…」
フィレ「どうしても行きたいのですね…」
と、涙ぐむ、まるで竜宮の乙姫である。
○山肌の間を-
ピンクショックをジェーン達のロケットが飛んで行く。
フィレの声「北のはずれの山の頂に、恨みの穴があります。その中にある、恨みの石を割り、男への女の呪いが薄れた時、暗黒空間の出口が開くでしょう。」
○山の頂
巨大な穴が開いている。
二機が飛んでくる。
ジェーン「どうする?」
ミッチ「行くっきゃない。」
突っ込んで行く。
ラン「こりゃ!小娘に負けんな。」
ランは、ジェーンの頭をバタバタ叩く。
○穴の中
二機は猛速で飛んで行く。
ジェーン「この穴に、異常はなさそうだわ。」
ラン「こういうのが、やばいのよ。いませんかぁ、誰もいませんね。いて、黙っちゃいけませんよォ…」
いきなり、天井から巨大な槍が降ってくる。
ジェーン「やっぱ、黙ってなかった。素直ねぇ」
二機は降りかかる槍の中をかわしながら進む。
○巨大な神殿
穴を抜けたところに、噴火口の様な縦穴があり、無数の女神像に囲まれた祭壇が ある。
二機は着地する-。
三人は、素早く飛び出すと身構える。
縦穴の壁は、様々な愛に苦悩する女達をモチーフにした像で、埋めつくされてい る。
ミッチ「暗いなぁ…」
ジェーン「お空も暗いよ」
見上げる縦穴の上空は、暗雲がたちこめている。
ラン「どうやら、お目当ては、あそこみたいだね。」
祭壇の上を指す
ミッチ「えっ?…あれは…」
ミッチは、祭壇の上のレリーフを見つけて思わずつぶやく。
ミッチ「あれは…あれは…確か、どこかで…」
○イメージ
四歳のとき…ヒロシを連れ去る宇宙船の姿-。
○神殿
ミッチ「…なんだったのかしら…思い出せない」
(このシーンは、VHD、ならびにPART2にはいりません。総集編のときの伏線です。)
ジェーン「お仕事 早く済まそうね。」
三人、祭壇を駈け昇る。
祭壇の上に宇宙船(ヒロシを連れ去ったものと同じ型)の姿をした宝石が輝いて いる。
ミッチ「これを壊すのね。」
ジェーン「なんか、簡単すぎないか?」
ラン「こういうの一番、やばいんだよね。」
ガチャン!
いきなり、ミッチが金槌で、宝石を割る。
ジェーン「あわわ、あんた!」
ミッチ「だって急いでんだもん」
らん「そりゃ、そうだけど…」
ジェーン「近頃の若いもんは…」
宝石の間から、光が放出され、頭上の暗雲に穴が開く。
ミッチ「はら、あれが、出口よ、きっと…」
ジェーン「な、イージーな…」
ラン「楽するにこした事はないよ。」
ジェーン「そりゃまぁ…ねぇ…」
と、突然、縦穴の壁が崩れ落る。
壁にへばり付いていた、無数の像達が動き出す。
ジェーン「あ~ん、こんなこったろうと思ってたよ。」
いきなり、頭上から巨大な女郎蜘蛛が、降りてくる。
三人は、飛びずさって、銃を撃つ。
びくともしない。
蜘蛛に追われ、女像の群れに追われ、三人は逃げ惑う。
ミッチの足に、蜘蛛の糸が絡み付く。
ランとジェーンの銃が、糸を燃やす。
二人は、ミッチを救いあげる。
ミッチ「サンクス!」
ジェーン「なんで助けにゃならんのかね。」
ラン「女だからさ、同じ」
逃げ続ける。
○ブラックホール内
ギャッピー機が、もみくちゃにされている。
ギャッピー「出口は…出口はまだか!」
と、前方似、明るい光が見える。
ギャッピー「ん、あれは…」
団長機……
団長「あ、あすこや。」
副団長「あれぇ、めざせぇ!」
光に向かって、突き進む船団。
○岩山付近
フィレが、部下達と山頂を見つめている。
フィレ「無理を承知で、あの三人を行かせながら、なぜか気になるわたし…」
ビガッ!
山頂の上空が光る。
フィレ「ん!あ、あれは!」
ミッチを追っていた大船団が現れる。小型艇が、次々に飛び出してくる。
○神殿
女像達と、女郎蜘蛛に囲まれ、ミッチ達は、逃げ場を失った。
三人は傷だらけだった。
女像達は、まるで死人の群のように近づいてくる。
ジェーンはかぶりを振る。
ジェーン「ここまでのようだね。続きはなさそう。」
ラン「女の群れに殺されるとは…せめて男に殺されたかった。一人でいいから…」
女郎蜘蛛が飛びかかる。
ミッチ「ヒロシ!助けて!」
間一髪!
女郎蜘蛛の頭部が弾ける。
ミッチ「エッ?」
上空からパラシュートをつけた、ギャッピーが、バズーカ砲を持って降りてくる。
ギャッピー「ヒロシくんでなくて悪かったが…。」
ミッチ「ギャッピーおじさま。」
ギャッピー「……おじさま…か」
「いてこませ!」
ナニワのトラキチ群が降ってくる。
暴走族が突っ込んでくる。
観光バスが、女像を胴体着陸で潰す。
(つづく)
首藤剛志
○王宮の宴会
裸女達が踊っている。
フィレが豪快に酒を飲んでいる。
フィレ「ファハハハ…おんしら強い!気に入ったばい…」
ミッチやジェーン達、気押され気味に横に坐っている。
フィレ「一生、ここで楽しく暮らしましょうね…(急にしおらしく)」
ジェーン「一生 ここでぇ~?」
ラン「男のいない星でぇ~!」
ミッチと二人は顔を見合わせ…ウ
三人「反対!」
フィレ「反対といっても、ここは暗黒空間の底…簡単には抜け出せません。」
ミッチ「簡単でも単々でも、抜け出すんだもん。」
三人「賛成!…」
フィレ「どうしても行きたいのですね…」
と、涙ぐむ、まるで竜宮の乙姫である。
○山肌の間を-
ピンクショックをジェーン達のロケットが飛んで行く。
フィレの声「北のはずれの山の頂に、恨みの穴があります。その中にある、恨みの石を割り、男への女の呪いが薄れた時、暗黒空間の出口が開くでしょう。」
○山の頂
巨大な穴が開いている。
二機が飛んでくる。
ジェーン「どうする?」
ミッチ「行くっきゃない。」
突っ込んで行く。
ラン「こりゃ!小娘に負けんな。」
ランは、ジェーンの頭をバタバタ叩く。
○穴の中
二機は猛速で飛んで行く。
ジェーン「この穴に、異常はなさそうだわ。」
ラン「こういうのが、やばいのよ。いませんかぁ、誰もいませんね。いて、黙っちゃいけませんよォ…」
いきなり、天井から巨大な槍が降ってくる。
ジェーン「やっぱ、黙ってなかった。素直ねぇ」
二機は降りかかる槍の中をかわしながら進む。
○巨大な神殿
穴を抜けたところに、噴火口の様な縦穴があり、無数の女神像に囲まれた祭壇が ある。
二機は着地する-。
三人は、素早く飛び出すと身構える。
縦穴の壁は、様々な愛に苦悩する女達をモチーフにした像で、埋めつくされてい る。
ミッチ「暗いなぁ…」
ジェーン「お空も暗いよ」
見上げる縦穴の上空は、暗雲がたちこめている。
ラン「どうやら、お目当ては、あそこみたいだね。」
祭壇の上を指す
ミッチ「えっ?…あれは…」
ミッチは、祭壇の上のレリーフを見つけて思わずつぶやく。
ミッチ「あれは…あれは…確か、どこかで…」
○イメージ
四歳のとき…ヒロシを連れ去る宇宙船の姿-。
○神殿
ミッチ「…なんだったのかしら…思い出せない」
(このシーンは、VHD、ならびにPART2にはいりません。総集編のときの伏線です。)
ジェーン「お仕事 早く済まそうね。」
三人、祭壇を駈け昇る。
祭壇の上に宇宙船(ヒロシを連れ去ったものと同じ型)の姿をした宝石が輝いて いる。
ミッチ「これを壊すのね。」
ジェーン「なんか、簡単すぎないか?」
ラン「こういうの一番、やばいんだよね。」
ガチャン!
いきなり、ミッチが金槌で、宝石を割る。
ジェーン「あわわ、あんた!」
ミッチ「だって急いでんだもん」
らん「そりゃ、そうだけど…」
ジェーン「近頃の若いもんは…」
宝石の間から、光が放出され、頭上の暗雲に穴が開く。
ミッチ「はら、あれが、出口よ、きっと…」
ジェーン「な、イージーな…」
ラン「楽するにこした事はないよ。」
ジェーン「そりゃまぁ…ねぇ…」
と、突然、縦穴の壁が崩れ落る。
壁にへばり付いていた、無数の像達が動き出す。
ジェーン「あ~ん、こんなこったろうと思ってたよ。」
いきなり、頭上から巨大な女郎蜘蛛が、降りてくる。
三人は、飛びずさって、銃を撃つ。
びくともしない。
蜘蛛に追われ、女像の群れに追われ、三人は逃げ惑う。
ミッチの足に、蜘蛛の糸が絡み付く。
ランとジェーンの銃が、糸を燃やす。
二人は、ミッチを救いあげる。
ミッチ「サンクス!」
ジェーン「なんで助けにゃならんのかね。」
ラン「女だからさ、同じ」
逃げ続ける。
○ブラックホール内
ギャッピー機が、もみくちゃにされている。
ギャッピー「出口は…出口はまだか!」
と、前方似、明るい光が見える。
ギャッピー「ん、あれは…」
団長機……
団長「あ、あすこや。」
副団長「あれぇ、めざせぇ!」
光に向かって、突き進む船団。
○岩山付近
フィレが、部下達と山頂を見つめている。
フィレ「無理を承知で、あの三人を行かせながら、なぜか気になるわたし…」
ビガッ!
山頂の上空が光る。
フィレ「ん!あ、あれは!」
ミッチを追っていた大船団が現れる。小型艇が、次々に飛び出してくる。
○神殿
女像達と、女郎蜘蛛に囲まれ、ミッチ達は、逃げ場を失った。
三人は傷だらけだった。
女像達は、まるで死人の群のように近づいてくる。
ジェーンはかぶりを振る。
ジェーン「ここまでのようだね。続きはなさそう。」
ラン「女の群れに殺されるとは…せめて男に殺されたかった。一人でいいから…」
女郎蜘蛛が飛びかかる。
ミッチ「ヒロシ!助けて!」
間一髪!
女郎蜘蛛の頭部が弾ける。
ミッチ「エッ?」
上空からパラシュートをつけた、ギャッピーが、バズーカ砲を持って降りてくる。
ギャッピー「ヒロシくんでなくて悪かったが…。」
ミッチ「ギャッピーおじさま。」
ギャッピー「……おじさま…か」
「いてこませ!」
ナニワのトラキチ群が降ってくる。
暴走族が突っ込んでくる。
観光バスが、女像を胴体着陸で潰す。
(つづく)