首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

2千円札

原稿を書き上げて、遅い夕食を食べる為、街にでた。
 十時を過ぎると、さすがに渋谷でも、飲み屋ぐらいしかやっていない。
 そこで、食事を食べ、一万円札を出すと、おつりがないのか、レジの人がうろうろしている。
 しばらくして、レジの人が、すまなそうな顔をして、おつりに二千円札を出してきた。
二千円札が混じってよろしいでしょうか?」
「嫌だ」といってもしょうがないので、
「いいですよ」というと、とてもうれしそうな顔をして、二千円札を渡してくれた。
 実は、二千円札は、いつから流通したか忘れたが、僕の生涯で二度目に遭遇したお札だった。
 なんだか、トランプのばば抜きをして、ジョーカーを引いたような気分だった。
 その二千円札を写真に撮ってもしょうがないから、止めておくが、何だか二千円札が、かわいそうになって、半年ぐらい財布に入れておこうかと思っている。
 いったいこの日本に二千円札はどれぐらい普及しているのだろうか……
 僕がその二千円札を使う時も、レジの人のように、すまなそうな顔をしなければならないのだろうか?
 いったい誰が、こんな半端なお札を考え出したのだろう。
 何だか二千円札が不憫でならない。