首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「ダンクーガ」と著作権と……

 箱根から帰ってきた。
 観光地の秋は、日曜も平日もなく、渋谷並に混んでいる。
 おまけに、当たり前のことだが、旅館は朝が早く、十時には追い出される。
 日頃、昼夜めちゃめちゃの自由業のおじさんには、予想していたが疲れる旅だった。
 夜は、旅館でごろごろして、テレビで、プロ野球アジア選手権を見たが、勝ったんだか負けたんだか分からない際どい試合で、とりあえず日本ハムが勝ち……でも、こんな日常って、
東京にいても同じだったと言う気もする。
 でも、久しぶりに、風呂が温泉だったのと、じっくり家族と話が出来ただけでも、良しとしなければならないのかもしれない。
 で、先日、DVDで、見た「間宮兄弟」の話でも書こうと思ったら、知人から2 ちゃんねるで、僕のブログの文面が、べったりコピーされていると聞かされた。
 言われて見て見ると、なるほど、まんまのコピーでびっくりである。
 2ちゃんねるで、何を書こうとその人の自由かもしれないが、世の中、著作権というものがある。
 匿名の2ちゃんねるですら、「電車男」の著作権がどこにあるのか、話題になった。
 まして、書いている人がペンネームであろうと、著作者がはっきりしているブログには書いた人の著作権があるだろう。
 本人の了解も得ずに、転載すれば著作権法違反である。
 多分、コピーした人は、そんなこと、気にもしなかったろうが……知っていれば、ルール違反どころか犯罪である……これからは気にして欲しい。
 例えば、コミケ天国の日本で、アニメやコミックのパロディ同人誌があるが、厳密に言えば著作権侵害の犯罪である。
 放置されているのは、裁判にすると面倒くさいし、むしろ、人気のバロメーターになるからと著作権者や他の権利所有者に許容されている部分があるからである。
 僕個人としては、よほど悪質でない限り、同人誌は面白いと思うし、たまに、送られてくる僕の関わっている作品の同人誌は、楽しみにすらしている。
ダンクーガ」と言うロボット物に関して言えば、その名前と、ロボットと、特例でない限りキャラクターデザインやアニメ化やコミック化の権利は、制作会社にある。
 いわゆる、まるCである。
 しかし、旧作のストーリーや脚本の著作権は、旧作を書いた脚本家にあると考えられる。
 物によっては監督に権利がある場合もある。
 もちろん、オリジナルでなく原作があるものならば、原作者に著作権があるのは当然である。
 だから、旧作をもとにした続編を作るには、最低、制作会社は、それらの著作権者の了解を得なければならない。
 もしくは、旧作のストーリー著作権者の参加は、不可欠になる。
 これは、制作会社にとって複雑だし面倒でもある。
 トラブルが起これば、裁判ざた、金銭問題までからんでくる。
 著作権に関してズサンだった日本だが、最近はうるさくなってきた。
 例えば、僕が「ポケモン」のシリーズ構成だった頃、無料の(つまり金銭のからまない)絵馬に、「ポケモン」の絵を描くことも禁じられた。
 「ポケモン」のキャラクターには権利者がいて、シリーズ構成といえども、絵を描くのを許諾すればどこまで許すか、きりがなくなるというのがその理由である。
 逆を言えば、子供がいたずら書きに「ポケモン」を描くのも、著作権違反になるのだ。
 さすがに、もとが子供相手の商売だけに、そこまでうるさくは言わないのが現実だが……アニメ雑誌に「ポケモン」の絵がほとんど登場しないのも、使用が許されている小学館以外には権利問題がうるさいからだと思われる。
 話を「ダンクーガ」に戻せば、アニメ化権のある制作会社に、旧作のストーリーまでの権利はおそらくない。
 続編がどうしても必要ならば、権利をクリアにする手間を取るだろうが、それほどでもない場合は、旧作とは、関わりのない新作の方が面倒がない。
 旧作と似たストーリーになったら、そっちの方が面倒なのである。
 新作を作った人が、旧作を作った人達に、ごめんなさいを言わなければならない。
 ところで、ロボット自体の権利は、制作会社が持っているから、そのまま出せる。
ダンクーガ」に登場するロボットは、多少の手は加えられるかも知れないが、旧作の「ダンクーガ」とさして違わない筈である。
 旧作のロボットに関しては詳しい人として、大張氏という人が監督としていて、新しい物にしようとして張り切っている。
 更に、メカに詳しい三井氏と言う脚本家が、共同のシリーズ構成として、変則だがついている。
 だが、ストーリーに関しては、旧作を知らない僕は、制作会社にとっても、都合がいい存在になる。
 僕としても、なまじ、旧作を知っていて、旧作との比較で著作権的な面倒に巻き込まれるのはご免である。
 これが、建前としての、僕が旧作を知らないでいいと言う理由である。
 それは、みんな承知だから、旧作と違う……旧作はこうだった……といった理由のクレームは出てこない。
 ところで、僕の建前はともかくとして、本音は、もう少し別の所にあるのだが、それは、出来上がった作品を見れば分かるかも知れない。
 これで、著作権について、少しはお話できたと思う。
 2ちゃんねるの某氏は、これでも、こちらの了解なしで、このブログをコピーするのだろうか?……