未公開作品「「幻夢戦記レダ2」テイスト オブ ハニー 17
(仮題)「幻夢戦記レダ2」 テイスト オブ ハニー
その17
ストーリー 首藤剛志
脚本 首藤剛志
○森B
陽子達四人が走って来る。
杏子「伏せろ!」
四人、倒れこむ。
頭上を、様々な浮遊メカに乗った兵士達が飛んでいく。
ザクッ、ザクッと足音を響かして、蟻のような歩兵隊が進んでくる
杏子「こっち!」
四人、岩陰に隠れる。
兵士達、通り過ぎていく。
フッと息を吐く一同。
最後部にいた陽子が、ふと後ずさる。
何かが手に触れる。
陽子「ん?」
振り返る。
白蝋化した裕子が立っている。
悲鳴をあげそうになる口を、辛うじて自分の手の平で押さえる。
杏子と晶子、健一も、ガックリとうなだれている。
○原野
重い足取りで、四人は歩いていく。
N 「それから、何日も旅は続きました。
○雪山
雪の中を歩く四人。
○崖
四人は綱をつたわって降りていく。
○激流の川
四人はいかだに乗って進んで行く。
四人の服や鎧はボロボロである。
○岩山の上
N 「そしてとうとう……」
四人は、岩陰から首を出す。
レダの街が見える。
無数の六角形の枠で構成されている街???
まるで、蜜蜂の巣の中のように、中央に聳える神殿も、木からぶら下った蜂の
巣に似ている。
街では、頭部が昆虫の半裸の男達が、重い荷を背負って働いている。
空には、警備の浮遊メカが、せわしなく飛び回っている。
○岩山の上
杏子「とっても忍び込める感じじゃないね。いっき、いっきで行くしかないよ。こりゃ
・・・・・ 」
晶子「けど、どうやってあそこまで?」
杏子「あれ」
と、飛んでいるエアスクリューをさす。
○街(夜)
エアスクリューを止めて、兵士が二人、警備をしている。
壁の陰に隠れている健一が、ライターに火を点ける。
兵士A「?」
兵士Aは、Bに何事か話して、火の方向へ来る。
いきなり物陰からムチが伸び、兵士Aの首にからまり、地面に叩きつける。
健一が棍棒で、兵士Aをぶっ叩く。
杏子、指でOKサイン。
兵士Aが消えた方向を気にしているBの肩が、ポンポンと叩かれる。
振り向くBの顎に、晶子の飛びげりが決まる。
エアスクリューに駈けよる陽子達四人。
晶子「運転出来そう?」
杏子「うん、アクセルとブレーキと・・・・バイクが出来りゃ、簡単だね。」
陽子「わたし・・・・ダメ。自転車も乗れない。」
健一「オレ、実は、三輪車もダメって感じ。」
杏子と晶子は溜め息をつく。
杏子「(晶子に)あんたは?」
晶子「50ccのバイクなら・・・・」
杏子「上等、OK。重いのは私に掴まんな。」
と、健一を手招きする。
健一「いいの? じゃ」
健一、杏子の背に抱きつき、腰に手をやる。
杏子、ゾクッと震え上がる。
杏子「このッ、変なとこ触るな・・・・・ ちゃんと胸にしがみつけ・・・ あっ・・・・」
健一「なお更、結構、けっこう」
と、しがみつく。
杏子「しょうない・・・・行くよ。」
杏子、エアスクリューを発進させる。
晶子、肩をすくめて、陽子に、
晶子「あんたが女の子でよかった・・・・・ さあ、しっかり掴まって・・・・・ 」
陽子「うん」
晶子、エアスクリューのアクセルをひねる。
その時、倒れていた兵士Bが、陽子の体に飛びかかる。
陽子「キャーッ!」
晶子のエアスクリュー、陽子を残して飛び上がる。
晶子「しまった!」
晶子、エアスクリューを反転させ、今にも陽子に槍を突き刺そうとする兵士B
に体当たりする。
エアスクリューは、兵士ごと壁にぶつかる。
エアスクリュー大破する。
一瞬早く、エアスクリューから手を離し着地した晶子は、陽子に駆け寄り、抱
き上げる。
晶子「大丈夫?」
陽子「ごめん、また足でまとい・・・・」
晶子「いいってこと・・・・ん?」
音もなく近付いてくる白い人影。
ゼンが立っている。
陽子、すくむ。
晶子「ここは私が引き止めるわ。さ、早く逃げるんだ。
陽子「でも・・・・・ 」
晶子「ん、もう。でもとストが多すぎると、迷惑するのは国民の私達・・・・行くの!」
陽子「うん」
陽子、走り出す。
晶子、弓をかまえてゼンに向けて撃つ。
ゼンはびくともしない。
晶子「!」
更に弓を撃つ。
ゼンは、冷ややかに笑いながら近づいてくる。
晶子「こ、こないで・・・ 」
後づさりながら、弓を撃つ。
もう、ゼンの体には、無数に矢が刺さっている。
しかし、平然と晶子に近づいてくる。
ゼン「お前は、わたしから逃げられぬ・・・・・ 」
ゼン、晶子を抱きしめる。
ゼンにつき立っていた矢が、ゼンと晶子の間で、音をたてて折れていく。
晶子の手から、弓がゆるりと落ちていく。 「キャーッ!」 (18へつづく)
その17
ストーリー 首藤剛志
脚本 首藤剛志
○森B
陽子達四人が走って来る。
杏子「伏せろ!」
四人、倒れこむ。
頭上を、様々な浮遊メカに乗った兵士達が飛んでいく。
ザクッ、ザクッと足音を響かして、蟻のような歩兵隊が進んでくる
杏子「こっち!」
四人、岩陰に隠れる。
兵士達、通り過ぎていく。
フッと息を吐く一同。
最後部にいた陽子が、ふと後ずさる。
何かが手に触れる。
陽子「ん?」
振り返る。
白蝋化した裕子が立っている。
悲鳴をあげそうになる口を、辛うじて自分の手の平で押さえる。
杏子と晶子、健一も、ガックリとうなだれている。
○原野
重い足取りで、四人は歩いていく。
N 「それから、何日も旅は続きました。
○雪山
雪の中を歩く四人。
○崖
四人は綱をつたわって降りていく。
○激流の川
四人はいかだに乗って進んで行く。
四人の服や鎧はボロボロである。
○岩山の上
N 「そしてとうとう……」
四人は、岩陰から首を出す。
レダの街が見える。
無数の六角形の枠で構成されている街???
まるで、蜜蜂の巣の中のように、中央に聳える神殿も、木からぶら下った蜂の
巣に似ている。
街では、頭部が昆虫の半裸の男達が、重い荷を背負って働いている。
空には、警備の浮遊メカが、せわしなく飛び回っている。
○岩山の上
杏子「とっても忍び込める感じじゃないね。いっき、いっきで行くしかないよ。こりゃ
・・・・・ 」
晶子「けど、どうやってあそこまで?」
杏子「あれ」
と、飛んでいるエアスクリューをさす。
○街(夜)
エアスクリューを止めて、兵士が二人、警備をしている。
壁の陰に隠れている健一が、ライターに火を点ける。
兵士A「?」
兵士Aは、Bに何事か話して、火の方向へ来る。
いきなり物陰からムチが伸び、兵士Aの首にからまり、地面に叩きつける。
健一が棍棒で、兵士Aをぶっ叩く。
杏子、指でOKサイン。
兵士Aが消えた方向を気にしているBの肩が、ポンポンと叩かれる。
振り向くBの顎に、晶子の飛びげりが決まる。
エアスクリューに駈けよる陽子達四人。
晶子「運転出来そう?」
杏子「うん、アクセルとブレーキと・・・・バイクが出来りゃ、簡単だね。」
陽子「わたし・・・・ダメ。自転車も乗れない。」
健一「オレ、実は、三輪車もダメって感じ。」
杏子と晶子は溜め息をつく。
杏子「(晶子に)あんたは?」
晶子「50ccのバイクなら・・・・」
杏子「上等、OK。重いのは私に掴まんな。」
と、健一を手招きする。
健一「いいの? じゃ」
健一、杏子の背に抱きつき、腰に手をやる。
杏子、ゾクッと震え上がる。
杏子「このッ、変なとこ触るな・・・・・ ちゃんと胸にしがみつけ・・・ あっ・・・・」
健一「なお更、結構、けっこう」
と、しがみつく。
杏子「しょうない・・・・行くよ。」
杏子、エアスクリューを発進させる。
晶子、肩をすくめて、陽子に、
晶子「あんたが女の子でよかった・・・・・ さあ、しっかり掴まって・・・・・ 」
陽子「うん」
晶子、エアスクリューのアクセルをひねる。
その時、倒れていた兵士Bが、陽子の体に飛びかかる。
陽子「キャーッ!」
晶子のエアスクリュー、陽子を残して飛び上がる。
晶子「しまった!」
晶子、エアスクリューを反転させ、今にも陽子に槍を突き刺そうとする兵士B
に体当たりする。
エアスクリューは、兵士ごと壁にぶつかる。
エアスクリュー大破する。
一瞬早く、エアスクリューから手を離し着地した晶子は、陽子に駆け寄り、抱
き上げる。
晶子「大丈夫?」
陽子「ごめん、また足でまとい・・・・」
晶子「いいってこと・・・・ん?」
音もなく近付いてくる白い人影。
ゼンが立っている。
陽子、すくむ。
晶子「ここは私が引き止めるわ。さ、早く逃げるんだ。
陽子「でも・・・・・ 」
晶子「ん、もう。でもとストが多すぎると、迷惑するのは国民の私達・・・・行くの!」
陽子「うん」
陽子、走り出す。
晶子、弓をかまえてゼンに向けて撃つ。
ゼンはびくともしない。
晶子「!」
更に弓を撃つ。
ゼンは、冷ややかに笑いながら近づいてくる。
晶子「こ、こないで・・・ 」
後づさりながら、弓を撃つ。
もう、ゼンの体には、無数に矢が刺さっている。
しかし、平然と晶子に近づいてくる。
ゼン「お前は、わたしから逃げられぬ・・・・・ 」
ゼン、晶子を抱きしめる。
ゼンにつき立っていた矢が、ゼンと晶子の間で、音をたてて折れていく。
晶子の手から、弓がゆるりと落ちていく。 「キャーッ!」 (18へつづく)