首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

娘と見るミュージカル映画

今日は久しぶりに仕事場に訪問者があった。
 僕の娘である。
 僕は、二週間に一度か三週間に一度、過去に名作と言われたミュージカル映画レーザーディスクやDVDを娘に見せることにしている。
 一応、スクリーンとプロジェクター、それなりの音響設備も備えてあるので、下手な劇場で映画を見るよりはましな環境にはしている。
 小学生の娘が大人になっても記憶に残るだろう映画や演劇、音楽会や美術展を見せるのが、
子供に対しては何事も放任主義の僕が出来る唯一の教育だと思っている。
 出来るだけいい作品を選びたいと思っているから、僕が関わったアニメ作品でも、出来が良くないと思うものは見せないことにしている。
 小学生も高学年になるとディズニーのミュージカル風アニメはそろそろ卒業で、かといって、大人が見る名作映画はまだ早過ぎる気がするので、自然、ミュージカル映画を選ぶことになる。
 今日見せたのは、「雨に唄えば」である。
 僕が若い頃に、すでに古典的な名作になっていたミュージカル映画だ。
 僕自身も、ビデオやレーザーディスクで何度も見た記憶がある。
 DVDで見たのは今回が初めてだが、画質が良くなったのと、音響に多少手が加えられて
モノラルだった筈の音が、ステレオないしはサラウンドで聞こえるようになっている。
 僕としても数十年ぶりに見たのだが、懐かしいというより、作品自体が古びていないのに
感心した。
 音楽も踊りも何度も見聞きした筈なのに、いまだに新鮮なのは驚きすら感じる。
 脚本も良くできている。
 娘もこのミュージカルが面白かったらしく、仕事場からの帰り道には、映画の中の楽曲を
いくつか憶えてハミングしていた。
 とはいえ、この映画をいちばん楽しんだのは、僕自身だったのかもしれない。
 今更、昔見たミュージカル映画を一人で見るのは、ちょっと照れ臭い。
 そのくせ、衝動買いでコレクションしたミュージカルのレーザーディスクや、DVDが百本近くある。
 今度は、娘に何を見せようかと考えるのも結構楽しい。
 一緒に見てくれる娘がいることを、ありがたいと思う。