首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

くじら屋

 今日は、もうすぐ放映されるアニメのアフレコに行った。
 別に、何をする訳ではないのだが、シリーズ構成としてその作品のアフレコに立ち合うのは、僕流としては責任の範囲内だと考えている。
 もっとも、脚本家がアフレコ現場にいることは、現在、ほとんどないようである。
 結局今日は台詞を付け加える部分などが出てきたので、結果的には脚本家がいて良かったことになったようである。
 今週は、気がついて見れば前回のブログを書いてから、あっという間の金曜日だった。
 今年やる予定の仕事と、昨年からいろいろな事情で遅れてしまった仕事がだぶって、打ち合わせが多い上に、書かねばならない仕事が多くて、あわただしく時間がすぎてしまった。
 何となくほっと出来たのは、先日、知人と「くじら」を食べた時間ぐらいである。
 渋谷には、109のそばに、「くじら屋」という店がある。
 随分、昔から、動物保護団体の類いから、くじらを食べることは嫌われていた。
 捕鯨も規制され、くじらを料理にして出す店は、ほとんどなくなった。
 そのほとんどなくなった店の中で、生き残っている珍しい店が、渋谷の「くじら屋」である。
 昔は、学校給食の定番だったくじらも、今は高級料理になってしまった。
 知人は、くじらを食べるのは初めてだと言っていたが、僕が子供の頃は身近な食べ物だった。
 くじらを食べることの是非はともかく、僕自身もくじらを食べるのは、数年ぶりだ。
 ちょっと、昔と味が違うなと感じたが、その店が出すくじらがナガスクジラではなく、ミンククジラだからのようだ。
 ナガスクジラ捕鯨は規制されていて、一定の時期、一定の量しか、その店でも手に入らないそうだ。
 いずれにしても、くじらの味は、僕にとっては美味いとか不味いとかというより、懐かしい味の一つである。
 知人との話も、いつの間にか懐かしい昔の話になり、今週の中では、ほとんど唯一の仕事を離れた楽しい時間だった。