もうひとふんばり

やっと、仕事にひと区切りがついた。
　この一週間、渋谷の街にほとんど行かないで、部屋に閉じこもりっぱなしだった。
　今日が、何日かも分からなくなっている。
　ふと気がつくと、今日が月曜日、平日なのに気がつきあわててヒゲを剃り、定期検診をしている病院に仕事場の前からタクシーを拾って行った。
　いつもどおり医者からは、こんな生活を続けていると、いつか倒れるぞと脅かされる。
　仕事場に帰って、気がつくと部屋の中が片づいている。
　そういえば土曜日あたりに、僕の寝ている間に、妻と娘が仕事場に来ていたらしい。
　多分、その時に、部屋を片づけてくれたのである。
　その時の事が、薄ぼんやりと、記憶によみがえってくる。
　思い出してみれば、金曜日には、数日前に最終回を書いたアニメのアフレコにも顔を出している。
　後は、何本かの電話とメール……渋谷のほぼ、真ん中にいながら、無人島に一人でいるような、ここ数週間だった。
　ひと区切りついたとはいえ、それは、仕事がひとつだけである。
　まだまだ他の仕事が残っている。
　もう、ひとふんばり、がんばったら、遊びまくろうと思う。
　その日が、楽しみである。