首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」

 仕事の打ち合わせの時間予定が後にずれ込んだので、その空いた時間で「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」を観た。
 バブル崩壊を防ぐ為にバブル時代にタイムトラベルするというストーリーだが、僕に限っていえば、ピンとこない映画だった。
 僕は、バブル時代を確かに経験している筈の年齢だが、残念ながらその頃は、仕事で机にしがみついているか、映画館通いで暗やみにいるか、酒を飲んだくれているか、病院に入院しているかで、バブル時代の風俗に、直接触れる機会がなかったのである。
 バブル時代の乱痴気ぶりをよく知らないから、この映画の製作者達が、バブル風俗の再現にどれだけ苦心したかが分からない。
 だから、この映画が持っているという面白さも懐かしさも感じる事が出来ないのだ。
 ただ、バブル時代の景気のよさを実感していて当然の筈である年齢の僕が、その世相を体験できなかったのはなんとなく悔しい気もする。
 残念な事に、バブルの時代に脚本の原稿料は、びた一文上がらなかった。
 バブル景気から少なくともアニメの脚本家は、蚊帳の外だった事になる。
 それを思うと何となく腹立たしくなってくる。
 一般的に言えば、バブルを享受した人以外にとっては、どうでもいい映画である。
 むしろ、その後のバブル崩壊で、ひどい目に遭った人が多いだろうから、そういう人達にとっては、後味の悪い映画かも知れない。
 バブル時代を楽しめずに、バブル崩壊の影響だけ被って、いまだに苦労している人なら、僕は大勢知っている。
 そういう人達は、この映画を見て、他愛なく笑えないだろう。
 この映画を、バブルの恩恵を受け浮かれていた人がバブルを懐かしむ身勝手な喜劇だと感じるのは僕だけだろうか?
まあ、主役の広末涼子さんはかわいいが、かわいい女性はどんな時代でもかわいいから、その視点からこの映画を見る人には、僕は何も言う事はない。