首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

テレビドラマ「ハケンの品格」

 毎週、放映時間になると自動的に録画されて見ているテレビドラマ「ハケンの品格」の最終回を見た。
 このドラマ、時給3000円の派遣社員の主人公が、毎回のように自分の持っている様々な資格証明書を水戸黄門の印籠さながらに提示する場面が見せ場のひとつになっているが、最終回のラスト近くにも現れるお約束のこのシーンには、大笑いした。
 最終回のせいもあってか、主人公が河豚(フグ)の調理免許から始まって、自分の持っている資格証明書や免許を片っ端から見せるのだが、なんと最後には核物質の処理の免許まで見せるのである。
「なんで、そんな資格まで持っているんだ?」
 と、聞かれた主人公の答えが……
「自分でもなぜだか分かりません」
 ……である。
 当たり前のようにそういう台詞があって、それ以上の事はふれずに、すぐ別の話題になる。
 脚本家が乗りすぎというか、よく、こんなシーンを書くよ……で、爆笑してしまった。
 どうやら、このドラマの世界では、原子力発電所まで派遣社員を使っているらしい。
 当然、脚本家やスタッフは、今の日本の原子力事情を意識しているとは思うが、コメディとしては、そうとう、ブラックである。
 でなければ、あまりに無神経である。
 それが、さりげなく当たり前のように出てくるシーンだから、なおさら笑える。
 だが、脚本家やスタッフがちゃんと調べていて、ほんとうに原子力発電所派遣社員を使っている事実があるとしたら笑っていられるだろうか?
 最近、原子力発電所の事故が現実に起こっている。
 このドラマは、正社員より優秀な派遣社員のお話である。
 原子力発電所の正社員より、優秀な派遣社員を採用する発電所があるとしたら、本気で笑える。
 このドラマの脚本家やスタッフが、核に対して無神経であんなシーンを作ってしまったなら、それはそれで、なんとなく少しはほっとする危ない爆笑シーンだった。
 このドラマ、視聴率が高かったと聞く。
ハケンの品格」の続編があるのなら、ほんとうに原子力発電所自衛隊や国会で働く派遣社員のドラマを見たい気がする。