首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

ミュージカル稽古進行中

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 写真は、本文とは関係ない練習用に入れた、出し遅れの証文のような「ポンペイの輝き」を展示している渋谷Bunkamuraの正面とBunkamuraのある東急本店です。
 六月の二十六日までやっているそうです。もし、ごらんになるならBunkamuraの裏にある松涛(しょうとう)町も散歩してみてください。渋谷では考えられないような住宅地が広がり、小さな美術館もいくつかあり、散策にはもってこいです。

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 監修をしているミュージカル……といっても、台本の一部と、テーマとも言える曲の作詞もしているのだが……子供向けの舞台ミュージカルの楽譜と稽古スケジュールが、劇団から送られてきた。
 子供向きとはいえ、テーマは、むしろ大人向きにできている。
 作曲も台本も、ここ数年の、この劇団のミュージカル作品の中ではいい出来だと思う。
 題名は「不思議の国のアリスのマッチ売り」という奇妙な題名……上演は六月はじめ……新宿の全労済ホール スペースゼロという劇場で公演する。
 内容は、インターネットを検索すれば出てくるだろうから、あえて、ここには書かないが、
 稽古スケジュールは六月上演まで、ぎっしりである。
 この劇団には、座長が高齢なのに主役をやりたがるせいか、悪い癖があって、ひとつの上演が終わると、台本を直して作り直し、再上演するのが常である。
 座長に政治力があるからか?……どこかしら強力なスポンサーや協賛を見つけてくるのである
 劇団の上層部は、直す度に、よくなっているつもりなのだろうが、実は、僕から見るとひどくなる一方なのである。
 周りの評判も、同じである。
 だから、ここ十数年、ヒット作はない。
 誰もそれを忠告しないから、上層部は、作品が直す度によくなっていると思い込んでいるふしがある。
 で、ここ十数年以上、お付き合いしていなかったのだが、昔のつきあいもあって、病気を理由に引き伸ばしていたものの、とうとう二年がかりで、引きずり出されてしまった。
 ただし、病気を理由に、台本は、他の方にお願いした。
 申し訳ない事に、その脚本家も直しの多さに、辟易したようである。
 作曲者や演出者の紹介など、出来るだけの事はしたし、台本も、しっかり監修したつもりである。
 監修として、僕の名前が出ているから、下手な出来にはしたくないが、上演する舞台を見るまでは不安はつきない。
 この舞台の特長として、スクリーンに映るアニメと、実演が合体する場面がある。
 いくら芝居の練習をしても、アニメとの合体がうまく行かなければ、めちゃめちゃになる。
 その結果は、上演当日、舞台を見なければわからない。
 不安があるから、はっきりした成果が見えるまでは、人には勧められない。
 さあ、どうなるか。この劇団、ひさびさのヒット作になるか?
 それとも、目も当てられない失敗作になるか……。
 いずれにしても、結果はどうあれ、再演すると言っても台本や作詞の直しはしないつもりだ。
 僕は、競馬等の賭け事はやらないが、今は、超穴馬の馬券を買った気分である。
 稽古中の劇団に行ってアドバイスはするつもりだが、あくまで、アドバイスにとどめるつもりだ。
 ミュージカルは楽しい。どんなにひどい出来でも、ひいき目に見てしまう。
 だから、出来上がりの不安な物でもギャラが安いのが分かっていても参加してしまう……それにしても、今回は、ここ三十年で一番安い監修料を掲示されて、仰天した。だったら、僕を二年も待つなといいたい。
 ブロードウエーあたりのミュージカルどころか、オフ・ブロードウエーのミュージカルと比べても、日本のミュージカルが、一部の劇団を除いては、学芸会並なのは分かっている。
 それでも、ミュージカルが好きだから、参加してしまう。
 悲しい僕の性である。
 疑似ミュージカルではあるが「アイドル天使ようこそようこ」のような作品を、本当はやりたいのだが……。