首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「ウォーリー」お勧めします。

不定期ブログで申し訳ありません。
10月に入院したため、たまった仕事や、プライベートでいろいろあり、疲れ果てて、キーボードを打つ気力が出なかったのが正直なところです。
先日、映画好きな友人と話をしました。
一般家庭の人ですから、家族ぐるみとなると、映画館に行くのは年に4・5回が精一杯です。
その彼が、今年の日本映画はできのいいのが多いらしいというので、何と一日で「容疑者Xの献身」と「おくりびと」を家族ではしごしたそうです。
どちらも、なかなかよくできた映画と、僕も思うので、……僕的には、夏の日本映画では、「パコ……」が好みなのですが……友人の見た二本の映画について感想を書こうと思いました。
ところが、昨日、ぶっ飛びものの映画を見てしまいました。
アニメです。
「ウォーリー」というデイズニー映画というよりピクサー映画なのですが……ここ数年の映画で、アニメ、実写を問わず一番ぶったまげました。
最初の三〇分ほどセリフがないのに、脚本の出来がよく、引き込まれます。
まあ、話としては、ノアの箱舟伝説を、宇宙版にして皮肉ぽっく描いたようなものですが、ともかく、ヒーローとヒロインがいい。
人間じゃないけれど、今年のアカデミー主演男優賞と女優賞をあげたいぐらいです。
 わき役もいい。
 大人も子供もご家族揃ってお勧めです。
 そりゃ、有色人種の人間が出てこないぞ。
 ノアの箱舟的宇宙船に乗れなかった人間や他の生物はどうなったのか?
 突っ込みどころは色々ありますよ。
 しかし、「生き残ることより、生きる事が大事だ」とか、「手と手をつなぐ」事の大切さとか、なんだか、昔の良きアメリカ映画が、蘇ってきたような気がします。
 もうこれ以上何も言いませんから、ともかく見てください。
 でも、少しだけ言っちゃうと、過去の映画のパロディというかオマージュがいっぱいですが、そんなのは知らなくても楽しめます。もっとも細々と生きるパソコンのMacユーザーは、あるシーンで泣くほど喜ぶでしょうが……。
 エンドタイトルも、楽しんでます。
 どっかで見たような、いろいろな名画(絵)のタッチが出てきて、これ、このアニメを作った人たちの余裕なんでしょうね。
 なんでも製作費160億だそうで、それでこんなアニメを作くるんだからすごいなあ……。
 それだけに、脚本がよく吟味されています。
 CGの完成度をとやかく言うより前に、きっちり映画になっています。
 幼稚園のお遊戯にお似合いな主題曲が流れる日本のアニメとの差に茫然です。
 品のないことを書きますが、昔、アメリカでヒットした日本のアニメの脚本を書いた僕は、それで入って来たあぶく銭を、どうせアメリカでの儲けだからどうでもいいやとドルで持っていました。
 当時1ドル120円、その後、アメリカの凋落ぶりはご存知の通りで、1ドル90円を切りそうです。
 持っていたはずの4分の一が消えたのですから、僕の老後はすでに危機であります。
 しかし、こんな映画を作れる底力があるのですから、1ドル60円になっても僕はドルを手放さない。
 アメリカを見はなさない。
 どうせ僕は脚本家ですから、こんな映画を作れるアメリカと心中してもいいや。
 そんな気にさせられる映画でした。
 「容疑者X……」「おくりびと」「パコ……」いろいろ感想を書きたい日本映画はありますが、とりあえず、「ウオーリー」のことを書きたくなりました。
 最近のアメリカ映画……「ダークナイト」(これ、実はバットマン)にしろ、いい意味で、嫌な予感?がして目が離せない気がします。
 では……