首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

やっちゃったあ「ヤッターマン」

久しぶりに、ブログに何を書くかと思えば、映画の話です。
 このところ、日本映画が好調なようで……
 でも、今日の話題は「おくりびと」でも、「ぐるりのこと」でも「接吻」でもありません。
「ぐるりのこと」と「接吻」は、一般向きではないとは思いますが、ある意味「おくりびと」を超えた日本映画でしょう。
 で、何の映画の話をするかというと、今年、最悪にとてつもなく脱力させられたある日本映画の話です。
 いくら、アニメの盛んな日本でもこれを「やっちゃあまずいでしょう」をやっちゃったアニメだか実写だかわけ分からないことをやっちゃった、そう「ヤッターマン」の実写版とやらの話です。
 ブログに取り上げるつもりはなかったのですが、あまりに大ヒットしたからといって、「うちの娘にゃみせられんなあ」と思っていたら、なんと中学生の娘、友達と一緒に見にいったらしい。
 それも、どうせ見るなら地元の渋谷でみればいいのに、わざわざ品川の劇場まで、人目を忍んでいったらしい。主役の「アラシ」とかのぼうやが目当てだったといっていましたが、そうかなあ?
 あまりに作品が下らないので大評判になって、どんだけ下らないか確かめに行ったと、父親の僕としては思いたい。
 そういう僕も、実は初日のレイトショーに、いそいそでかけて、とっくの昔に見ていたのでした。
 実は、昔、「竜の子プロ」のアニメ作品の脚本を結構書いておりまして、別のスタッフがやっていたのがタイムボカン・シリーズだったわけです。
 ああいう徹底した泥臭いギャグ(けなしているのではありません)は、僕には無理だとあきれておりました。
 で、もちっとスマートな路線で、「ゴールドライタン」とか「ムテキング」とか、スマートといっても、後で見りゃ「ヤッターマン」と五十歩百歩のアニメの脚本を書いていましたが、その「ヤッターマン」が、実写になると聞けば、全然関係のない「ドラゴンボール」の実写よりは、気になるのが人情です。
 おまけに、CGは「ポケモン」アニメを作っているOLMが絡んでいるらしい。
 十年以上前は、CGをポケモンに使いたがって、一生懸命、頑張っていたその技術が、どのぐらい花を咲かせるか、これも気になります。
 で、いきなり、ハチ公像がハッチ像で、女の子の股間をずりずりだもんなあ……なんのことかって「子供には分からなくていいの」……大人だって分かりたくないダサーいセンスで、あんた、ロボットが欲情してハナジを出して面白い?……ポケモンのCGは確かに花開いているかもしれないが、それが、ハナジぶーにつかわれたんじゃ、はなはだ遺憾で……アニメかと思えば、実写の生身の女の子のふとももをちゅっぱちゅっぱ、ジェネラルルージュのお兄さんなら、チュッパチャップス吸いついても何とか見てられるけれど、いいとこ宴会芸としか思えないコスプレ学芸会でやられたら、エロティシズムどころかユーモアさえもどこかに吹き飛び、しつこい色情感覚おじさんが、子供相手にロリコンポルノを大金かけて監督しているとしか思えない作品になっちゃった。
 これアニメ? 実写? そんなのどうでもいいから、若いころ女の子にもてなくて玩具としか遊べなかったおじさんのうっぷんばらしに付き合わされているような感じです。
 もっとも、それを分かっていて、確信犯的にやっているんでしょうけれど、それが、無残に空回りなんだよなあ。
 これって、タイムボカンシリーズの泥臭い面白さとはちょっと違うと思うんですけれどねえ。
 もっとも、そんな映画を二時間も黙って座って見ていたのは、深きょん?をはじめとする三人の女の子に、僕が見とれていたからで……「よしよし、下妻物語のコスプレ少女が大きくなつて、ますます、めんこいめんこい」……って、そんな僕も、もろ、おじさん感覚です。
 だって、そこしか、観るところ、ないんだもん。
 初日のレイトショー、子供がいなくて、若い女の子がいっぱい。満席です。
 土曜の夜、さみしい女の子同士が大勢です。
 さみしい男の子たちには、ナンパにサイコーの環境ですが、なにせ、映画が、あのないよ~(内容)では、映画の帰りに下手に女の子に声をかけようものならヘンタイに思われかねません。
 いまどき満席の映画館はめでたいかぎりです。
 しかし、上映中、くすりとも笑わなかった隣の二人の娘さん……映画が終わり場内が明るくなると、ふーっとため息をつき、互いの顔を見合わせて「おっ金、かかっているわね~」……それだけでした。
 娘の感想も同じでした。
「下らないけど、おっ金、かかってたわね~」
 製作費、20億円で、五〇〇〇〇〇〇〇〇〇円は稼げそうな勢いだそうで、この不景気な世の中、かせいかせいで勝てば官軍……2作目を期待してます。
 僕、アニメの「タイムボカンシリーズ」には関わっていないので、笑ってそう言えますよ。
 もちろん、嵐が来ようが、地震が起ころうが、娘が2作目を見るのは、断固、阻止するつもりです。
 では……