首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「犯人に告ぐ」ではなくて「犯人にお願い」

 前回のブログで「振り込み詐欺」に引っかかった事を書いた。
 しかし、この犯人グループ、遅かれ早かれ捕まるだろう。
 この犯人、実は、NTTの電話と、携帯で、4回、僕と話している。2回は犯人側からかかり、2回は僕からかけている。
 僕と僕担当の犯人は、合わせると少なくとも30分は話をしているのである。
 僕からかけたNTTの普通電話を通した電話番号は、犯人グループが「公共機関」を装った偽のものである。
 実は、おそらく犯人側は、僕に3回、電話をかけている。3回目の電話は外出先で「詐欺」にひっかかった4分後で、僕の携帯にもちろん非通知設定でかかってきて、僕は意識的に出なかった。通常、僕は、よほどの事情がない限り携帯を持ち歩かない。携帯のメールは使わない。メールを使うのはインターネットだけである。かなりの知人がそれを知っている。
だから僕から携帯をかけることはあっても、僕に携帯がかかってくることは、かなり重要な用事があって相手が僕を探しているときである。
しかし、僕は携帯を持ち歩いていないから、携帯にかかってきた電話は、携帯を置きっぱなしにしている仕事場から相手にかけ直す。
したがって非通知設定の電話はほとんどかかってこない。
けれど、この事件の時、僕は、携帯を持ち歩いていた。
そこに、非通知設定の電話がかかってきた。詐欺かどうかを確認するために銀行に行く途中だった。
その4分後には、巧妙な手口に僕が引っ掛かかって僕が振り込んだ相手先の口座からお金が引き出された。
犯人と僕との会話が、かなりぐずぐずしていたので、犯人側も危険性を感じてあせっていたのだろう。
ところで、僕の仕事場には、見ず知らずの人からかなり電話がかかってくる。
ほとんどが、保険、信託、その他、金銭がらみの勧誘である。
普通ならすぐ断り電話を切るだろうが、僕は時間があればかなり長話をする。
勧誘内容には興味はなく、電話をかけてきた人に興味があるのだ。
これ、いちおう物書きである僕の習性なのかもしれない。
昔は、飲み屋や喫茶店で、面識のない人たちの会話でも面白そうな話題をが耳に入れば、「失礼ですが、面白そうな話ですね」などといいながらその話題に加わり、その人たちと知り合いになるのが特技(?)だった。
だから、僕は見ず知らずの人からの電話でも出会いには違いないので、相手のことを知りたがるのである。
相手の目的は勧誘だから、僕を勧誘できると思い、長電話につきあってしまう。
で、ついつい、勧誘目的のつもりが、自分本人についてのことも話してしまう。
そして、僕にはそれをメモに書く癖がある。
したがって、僕はその人が何を僕に勧誘したかったのかは忘れてしまうが、(相手の会社の名前もその人の名前も忘れている場合が多い)電話をかけてきた人がどんな人であるかの私的?情報(どんな生活をしている人であるか、時には出身地まで)を、僕自身、意識せずに聞き出してメモしてしまう。
で、そんなメモを後で見て、なんだこりゃ?……あ、あの勧誘電話の人のことか……ってなもんである。
そして、電話をかけてきた人は、勧める内容に僕に脈があると思うのだろうか、2度目の電話をかけてくることが多い。
 かなり、なれなれしい様子でかけてくる。
 で、話題は勧誘内容とはかけ離れたこと……主に電話をかけてきた人のことが多い。
 あまりに僕が勧誘内容に興味がないので、相手がキレて電話をガチャンと切られたこともある。
 今度の「詐欺」で僕担当の犯人の石井さんと言う偽名の人、もう気が付いただろうが、手口は巧妙だが、かなり、自分たちの情報を漏らしてそのポイントを僕にメモされてしまっているのである。
 断っておくが、寝不足で疲れてかなりぼけていた僕は、意識的にそれをしたのではなく、なんとなく、いつもの癖でメモしちゃったのである。
 それが資料になるから、警察の被害調査に5時間もかかったのである。
「これだけ分かっていて、なぜ、「詐欺」にひっかかったの?」と、警察の方は呆れていた様子だった。「よっぽど、バカだなあ」といわれているような気もした。 人間、魔がさすというか、なんだか、うかつというかぼーっとしてしまう時があるんだなあということを僕は実感して反省している。
 けれど、警察の取り調べって、かなり、的確で厳しい。僕は被害者なのに……これが犯人だったら、しらばっくれるのは難しいと思う。グループだったら芋づる的に捕まるだろうなという気がする。
 もう処分したと思うけれど、犯行に使ったあなた方のケータイの一つは、テレビで犬の出てくるCMのケータイですよね。
 ケータイ商戦競争たけなわの今ですが、どこの会社のケータイを使おうと調べればわかります。
 戸籍さえ売買される時代だから、まともな方法で手に入れたケータイではないでしょうが……それがすぐ分かってしまうのは犯人側としては迂闊じゃないかと思います。……これ以上、分かっていることを書くと捜査の邪魔になるでしょうから、事件に関心を持つ人なら誰もが気づく手掛かりだけ書きました。
 でも、犯人グループが捕まっても、被害にあうとお金は返ってこないだろうし、被害届や調べに手間はかかるし、気分も消耗しひどく疲れます。
 街を歩けば、いつもはさりげなく見過ごしていた「振り込み詐欺に気をつけましょう」の掲示がやたら目につき、精神衛生上いいとはいえません。
 だから、みなさんは、ほんとうに十分気を付けてください。
 で、僕の取引銀行ですが、「振り込み詐欺」防止のためATMで振り込む時は、現金10万円までで、それ以上は、窓口で身分証明がいりますなどと注意書きが大きく書かれています。「ただし、キャッシュカードを使うと100万~200万まで振り込めますから御注意ください」の表示はありません。ATMのそばに小さく表示されているだけです。
 たとえば東京の都心で、10万以下の家賃の場所なんてほとんどないし、かといって普通の人で10万以上の現金を持ち歩く人も少ないでしょうし、結局、高い値段のものや振り込みはキャッシュカード(デビッドカードとしての買い物)かクレジットカードを使うでしょう。
人件費を減らすためのATMでしょうが、利息0時代にATMですら手数料を取るし、銀行に行くのがつらいお年寄りや面倒な人の為という理屈かもしれませんがコンビニにATMを置くし、しっかり調べないで「振り込み詐欺」用の誰かの口座を作ってしまうし、これってなんか変だな? と金融関係に
やつあたりしたくなります。
 あ、それから、犯人のみなさん……あなたたちのこれからの相手はもう僕じゃありません。警察ですからよろしく。
 僕はあなたたちの哀れな被害者にすぎません。
 では……、