首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

喫煙店

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渋谷をふらうらしていたら、面白い店を見つけた。
 渋谷センター街の中ほど、文化村通りに抜ける道にある。
 コーヒーショップか、喫茶店のような感じだが、じつはここ、喫煙店なのである。
 この店の中でなら、自由に煙草が吸えるのである。
 清涼飲料水の自動販売機が、あるが、この店に入って煙草を吸うのは無料である。
 もう何年も禁煙運動が続いていて、東京の千代田区など、区の全域が禁煙である。
 新幹線の喫煙車両も、どんどん減っている。
 愛煙家には、きつい時代になったが、煙草を吸わない人にまで、悪影響を与えるのだから、禁煙地区が増え続けるのも、仕方がないとは、思う。
 僕など、百回以上、禁煙したが、一ヶ月以上禁煙に成功したことはない。
 煙草を吸わない人と、話をする時や、食事をする時は、煙草を控えるが、それが限界である。
 健康に悪い事など、百も承知だが、物書きをしていると、どうしても、一服したい気持ちなる。
 禁煙の病院に、一ヶ月近く入院した事もあるが、退院したら、元の木阿弥で、ぷかぷか吸い出した。
 もう一生、禁煙は無理そうである。
 せめて、他人に迷惑をかけないように、煙草を吸い、それで早死にするなら仕方ないと思う。
 そんな時である。
 渋谷のセンター街に煙草を自由に吸える店ができた。
 そのくせ、センター街のスピーカーは、しょっちゅう、煙草を吸いながら歩くのは止めましょう。
 煙草のぽい捨ては、止めましょうと放送している。
 そのど真ん中で、無料の喫煙店ができた。
 どうなっているのだろう。
 更に不思議なのは、その喫煙店には、煙草の販売機がないのである。
 煙草は他の店で買って、この喫煙店で吸ってくれと言うのである。
 喫煙店でありながら、煙草を売っていない。
 どうなっているのだ……と、思ったが、すぐに合点がいった。
 近くに、妹が小学生のころ、友人の親が、タバコ屋さんをやっていた店があるのだ。
 何とその店は、渋谷で、煙草の売り上げが一番の店だったのである。
 禁煙ブームは、明らかのその店には、逆風である。
 その近くに、喫煙店などできて、煙草を売られたら、大損害である。
 煙草の売っていない喫煙店のそばのタバコ屋さん……これなら、売り上げの被害は軽くなる。
 もしかしたら、その喫煙店。そのタバコ屋さんが、経営しているのではないかと邪推したくもなる。
 ニューヨークの飛行場には、無料でコーヒー等を飲ませてくれて、煙草が吸える喫煙ルームがある。
 もちろん、スポンサーは、アメリカの有名煙草メーカーである。
 だが、東京で、無料で喫煙させる店は、僕が知る限り、渋谷のこの店だけである。
 僕だって、煙草を吸う事がいいとは思わない。
 一番いいのは、欧州並に、煙草の値段を上げる事だ。
 セブンスター一箱、千円……ほとんど税金……なんて事になれば、僕も煙草をやめるかも知れない。
 とはいいつつ、結局、買ってしまうのだろうなあとは思う。
 だって、あのニューヨークに行ってすら、まず、最初に探したのは煙草を吸える場所だった。
 しかしながら、煙草を吸わない人は、僕と会う時は、それを言ってください。
 もし、その人と、三ッ日三晩、一緒にいても、僕は煙草は吸わない。
 それぐらいの我慢は、百回以上禁煙した僕にはできます。
 特に煙草を吸わない女性の方、そこのところ、よろしくお願いします。