首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

魔法のステッキ

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今日は、僕が監修している親子向け舞台ミュージカルの、通し稽古を観に行った。
 通し稽古とは、舞台の幕開きから終りまで、歌や踊りも入れて、本番の舞台と同じにやる稽古の事だ。
 明日からは、実際の劇場で、衣装や照明などの舞台効果を交えての稽古になる。
 六月三日と四日(つまり、土曜と日曜の三回の舞台)のミュージカルに、なにやかにやと、二・三年かかってしまった。
 劇場は、新宿のスペースゼロ……日曜の分は、すでに完売だそうである。
 あ、書き忘れそうになぅったが、題名は「不思議の国のアリスのマッチ売り」という、変な題名である。
 題名通り、「不思議の国のアリス」と「マッチ売りの少女」を主役に、周りを、色々なお伽話の主人公が入り乱れ、魔女が(魔女っ子じゃあないよ)重要な役で活躍するという、一口で語れないようなストーリーだが、テーマは「お伽話を忘れないで……子供の頃の夢を捨てないで……」といった……反則技の「魔法のプリンセス・ミンキーモモ」のような話である。
 
 監修といっても、色々な監修のしかたがあるが、今回の僕の場合、ぼーっと監修していればいいかと思ったら、全体の構成と、台詞の一部と、テーマに関わる曲の作詞までしてしまった……というかさせられる羽目になってしまった。

 通し稽古を観た今の段階では、正直な話、みんなよくガンバっているが、是非、観てくれと、無理にお勧めはできない。
 どんなミュージカルでも、舞台の場合、上演する一回、一回で何が起きるか分からないからである。
 舞台が始まったら、その空間は、役者と見に来た客のものである。
 よく舞台は、台本を書いている間は、作者のもの。稽古の間は演出家のもの、舞台が、始まったら役者のものといわれている。
 舞台の幕が開いたら、役者がどんな演技をし、どんな歌や踊りをしようと、作者も、演出家も、監修も、口は出せない。
 そこは観客と役者の世界なのである。

 そこが舞台の芝居やミュージカルの面白い所でもあり、怖い所でもある。
 どうなることか?……舞台の幕が開くのを目前にして、胃の痛い思いをしているのは、役者ではなく、むしろそれに関わったスタッフたちである。

 稽古の様子を撮ろうと思ったが、フラッシュで、役者の気が散ると困るので止めにした。
 写真は、魔女のステッキである。効果は、魔女っ子のステッキと似たようなものだが、なにせこのステッキを使うのは、おばあさんの魔女である。
 「魔法のプリンセス・ミンキーモモ」ではない。
 よって、魔女本人の写真は、遠慮した。