首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

「ダ・ヴィンチコード」

大ヒットしているらしい「ダ・ヴィンチコード」を観てきた。
 さして目新しい事は無いが、キリスト教に関する諸説を、都合よく整理して並べた、日本で言うなら、トンデモ・ミステリーの一種だが、取り扱っているのがキリスト教の重大機密だというので、偉い騒ぎになったようだ。
 だからといって、キリスト教国ではない、どちらかというと八百万(やおよろず)なんでもOKに思える日本人まで、便乗して、勢い込んで観るほどの映画ではないと思う。
 キリスト教圏では、この映画のテーマが大問題だろうことは、想像に難くない。
 この問題が発端で、中世の魔女騒ぎ(八百万人近い女性が魔女狩りで殺された)やら、キリスト教内の各派に色々ないさかいが起きたのだから、西洋史としては、大変なミステリーと言う事になるのだろう。
 しかし、キリスト教には、教会系幼稚園とクリスマスしか関わりのない僕など、キリスト様に、子孫が、いようがいまいが、申し訳ないが、どうでもいいじゃない……と思ってしまう。
 西洋では大問題なことでも、僕は、なんとなく不謹慎な態度で観てしまう失礼を許してもらいたい。
 でも、許してくれる人は少ないのだろうなあ……
 人間と宗教の関わりの深さは、ただ事ではないのである。
 歴史上に起きた戦争のほとんどが宗教絡みである事を考えると、のほほんと映画館の中で、眠気をこらえながら観ては申し訳ない映画なのかも知れない。
 僕にとっては、面白かったとも、つまらなかったとも、退屈したとも、軽々しく言えない感じである。
 トム・ハンクスを始め、登場してくる出演者の演技も、なんとなく硬い。
 演出も硬い。
 いくらヒットするのが確実とは言え、こんなとんでもないミステリーを映画にするなんて、ハリウッドの商魂はすごいとしかいいようがない。
 余計な事だが、このミステリーにニュートンまでかりだされたのには少し笑った。
 あ……笑っちゃいけないのかなあ……ともかく、宗教は、どんな宗教も、取り扱いが難しくて怖い……