首藤剛志のふらふらファイル箱

人並みのつもりにしては、ふらふらしています。

あるカレー屋さんのこと

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歯医者の帰りに、カレー屋の「ムルギー」に行って見た。
 「ムルギー」は、「アイドル天使ようこそようこ」のエピソードにあったカレー屋のモデルにした店である。
 渋谷駅から道玄坂を上がり、坂の途中にある道を右にはいる百軒店(ひゃっけんだなと読む)の中にある。
 創業が昭和二十六年と言うから、半世紀以上続いているカレー屋である。
 あまりねっとりしていないインド風のカレーなのだが、いまだに、他の店にはない独特の味を、保っている。
 おそらく鶏をベースにしたチキンカレーなのだが、でき上がったソースには、肉の塊はほとんどない。
 破片らしいものが、かすかに舌に感じられるぐらい煮込んである。
 自宅で、この味を出そうとしたが、数日は煮込まなくてはなりそうなので止めた。
 この店でも、仕込みの時に、圧力鍋風のもので、鶏らしいものを煮込んでいる匂いを、かいだ事がある。おそらく骨の髄まで、形が残らない程、煮込んであるのだ。
 今は、老齢で……もしくは亡くなって、店に顔を見せなくなったマスターに、この店の名をアニメに出していいかと聞いてみたら、興味本位で、店に来る客が増えると困るからと、丁寧に断られた。
 そこで、「アイドル天使ようこそようこ」の中では、ガンガーという名で登場してくる。
 マスターが薦めるゆで卵つきカレーが千円……ゆで卵が、辛さをまろやかにしてくれる。
 チェーン店のカレー屋が増えた今、カレーの値段としては、決して安いとは言えないが、半世紀守ってきた味は、だてではない。
 この店の味に近いカレーを、僕はまだ食べた事がない。
 福神漬のように、ご飯の横に少しだけ付いて来るチャツネが、ご愛嬌である。
 僕の行く時間が悪いのか、建物が古いせいか、店はいつもがらがらである。
 渋谷に行くついでがあったらよってみて、損はないと思う。
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DVDで「怪盗ルビイ」……小泉 今日子 真田 広之主演 という映画を見た。1988年、挿し絵画家というかイラストレーターというのか映画が大好きな和田誠氏が「麻雀放浪記」の次に監督した作品である。
 怪盗といってもたいした犯罪ではないのだが、そんな小泉今日子の怪盗ごっこに、生真面目な真田広之がふりまわされるという他愛ないストーリーである、
 当時はいくつかの賞を取った作品らしいが、僕が今見ると20年ほど前の作品のせいだろうか、欧米風のおしゃれな作品を作ろうとした意図は分かるのだが、なんとなく、げたを履いてレストランに行くような、妙な感じだった。
麻雀放浪記」はレーザーディスクを持っているほど好きな作品なのに、ちょっと残念である。
 日本人には、この手のおしゃれさは難しいのかもしれない。
 最近、似たような妙な感じの映画を見た。
 「THE有頂天ホテル」だ。
 やはり欧米風のおしゃれな笑いを狙っているらしいのだが、からまわりしている場面が多い……最後に、ミュージカルの「スイート・チャリティ」の挿入歌を日本人に歌わせるあたりは、完全に白けてしまった。
 日本人には、欧米風のおしゃれさは、まだちょっと無理なようだ。
 作りたい気持ちは分かるけれど……
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 このブログに一枚,写真を入れる事はできるようになったが、続けて二枚以上は無理なようである。
 もう一枚の写真は、クリックしてもらうと、大きくして見る事ができるようです。